キリン福岡工場、新型ろ過設備の運転開始 少量多品種、生産可能に

「ろ過設備」を前に意気込みを見せる小高正寛氏(右)と泉賢一郎氏
「ろ過設備」を前に意気込みを見せる小高正寛氏(右)と泉賢一郎氏

 キリンビール福岡工場(福岡県朝倉市)が27日、少量多品種を生産できる「クロスフローろ過設備」の営業運転を始めた。「一番搾り」などの定番商品以外にも、消費者それぞれの嗜好に合わせたビールを生産し、シェアの拡大を狙う。

 「このろ過設備は少量多品種への対応を今後、強化するキリンの意志だ。生産を軌道に乗せ、他の工場にも展開させたい」

 新設備を使っての初めてのビール作りで、小高正寛工場長は約50人の従業員を前にこう述べ、設備を稼働させるスイッチを押した。

 ビール業界では一般に、発酵に用いる酵母をビール液から取り除く「ろ過」ではケイ藻土を使う。

 だが、フィルターは毎日、交換が必要で、ビール液の入れ替えにも数時間はかかる。1日に1種類を製造するのがやっとだった。

 今回、新たに備えた設備は、今世紀に入り欧州の工場でも導入が進められている。ろ過ではケイ藻土の代わりに高分子膜を用いる。膜は入れ替えは必要なく、1日に数種類をろ過できるのが特徴だ。全国9工場で、福岡では3番目の導入となった。

 キリンは平成13年度にアサヒビールにシェア1位の座を明け渡したのに危機感を持ち、少量多品種の生産を加速させてきた。

 同工場の泉賢一郎醸造長は「キリンには製品開発力の蓄積がある。ノンアルコールビールなど先駆的な取り組みをこれまでも成功させてきた。今後、よりお客さまのニーズに合わせたビールを作りたい」と意気込んでいる。(奥原慎平)

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