浪速風

落ち葉もよろし

通勤の道すがら、ゴミ袋がいくつも積み上げられているのを見かけた。はて? 今日は収集日ではないはずだが、と半透明の袋をのぞくと、落ち葉がぎっしり入っていた。早朝に近所の人が道路の清掃をしたらしい。そう言えば、最近は落ち葉焚きの煙をあまり見なくなった。

▶暖かい秋だったが、急に気温が下がり、北国からは積雪の便りが届いた。ようやく冬が追いついて来た。「春夏秋冬 あしたもよろし ゆふべもよろし」と詠んだ種田山頭火(1882~1940年)は、実は「晩秋初冬は私の最も好きな季節である」と言っている。落ち葉や枯れ草を題材にした秀句が多い。

▶時に「やっぱり一人がよろしい雑草」と詠んだかと思うと、「やっぱり一人がさみしい枯れ草」と心境が変わる。「漂泊の俳人」がこの季節を好んだのはどういう理由からだろう。落ち葉は土を覆うふとんとなり、堆肥となって、生命を守り、育む。長い冬の先に春を見るからではないか。