ビジネスの裏側

サントリーvsアサヒ第2Rへ ノンアル訴訟の争点は「進歩性」 グリーはDeNAに負けた…

【ビジネスの裏側】サントリーvsアサヒ第2Rへ ノンアル訴訟の争点は「進歩性」 グリーはDeNAに負けた…
【ビジネスの裏側】サントリーvsアサヒ第2Rへ ノンアル訴訟の争点は「進歩性」 グリーはDeNAに負けた…
その他の写真を見る (1/3枚)

 アルコール度数ゼロのビール風味飲料、ノンアルコールビールをめぐるサントリーホールディングスとアサヒビールの法廷闘争が第2ラウンドに突入する。サントリーは自社の特許が侵害されたとして、アサヒを東京地裁に提訴した訴訟が10月に棄却されたが、これを不服として知財高裁に控訴した。知財高裁に持ち込まれて地裁判決が覆るケースもあり、両社の争いの着地点は見通せない。酒税がかからず、収益性の高いノンアルだけに商戦以外の場外戦もヒートアップしている。(大島直之)

控訴

 「従来とかわりなく『ドライゼロ』の製造・販売を継続してまいります」

 アサヒビールは判決が下された10月29日、ホームページにリリースを公表し、勝利宣言した。

 これに対し、サントリーは「研究を重ねた知的財産が侵害され続けるのは到底看過できない。知財高裁に控訴して正当性を主張していく」と強調し、知財高裁に控訴した。ファイティングポーズを取り続ける姿勢を示したのだ。

 一審の経緯はこうだ。判決によると、サントリーは平成25年10月、味に影響するエキス分や、糖質の量などの数値を一定の範囲にしたノンアルコールビールの特許を取得した。

 エキス(飲料に含まれる風味成分)の割合は0・5~2・0%で、酸性、アルカリ性を示す水素イオン指数(pH)は3・0~4・5。糖質含有量100ミリリットル当たり0・5グラム以下とする内容だ。

 そして同年9月に製法をリニューアルしたアサヒの「ドライゼロ」の成分数値は、いずれもサントリーHDの持つ特許の範囲内で、サントリーは「特許侵害」と主張し、製造と販売の差し止めを求める訴訟を起こした。

会員限定記事会員サービス詳細