防衛最前線(48)

海自氷砕艦「しらせ」 特殊な艦首で厚さ1・5mの氷も粉砕する南極観測隊の頼れるエコシップ

【防衛最前線(48)】海自氷砕艦「しらせ」 特殊な艦首で厚さ1・5mの氷も粉砕する南極観測隊の頼れるエコシップ
【防衛最前線(48)】海自氷砕艦「しらせ」 特殊な艦首で厚さ1・5mの氷も粉砕する南極観測隊の頼れるエコシップ
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 海上自衛隊が運用する砕氷艦「しらせ」が16日、第57次南極観測隊を支援するため、横須賀基地を出航した。しらせが岸壁を離れると、乗組員の家族らが手を振り、別れを惜しんだ。目的地である南極の昭和基地には来年1月上旬に到着する予定で、日本への帰国は来年4月中旬の見通しだ。

 しらせに乗り込んだ自衛官は約180人。今回は女性自衛官9人が初めて乗船した。防衛省によると、航空自衛隊の戦闘機パイロットが女性自衛官に解禁されたのと同様、安倍晋三政権が掲げる「女性活躍推進」の一環でもあるという。

 門倉昭隊長率いる南極観測隊の隊員は、オーストラリアでしらせに乗り込み、そこから昭和基地を目指す。

 しらせは観測隊員らを現地に運ぶ人員輸送や、食糧や燃料などを届ける物資輸送を主任務とする。南極地域の生態系を壊さないため、汚水などの廃棄品も持ち帰る。3カ月に及ぶ南極滞在中には、艦上や野外での観測、基地設営などの支援業務にも当たる。

 武居智久海幕長は出港式で「重要な研究が佳境を迎えようとしており、しらせの活動意義は一段と高まっている。一致団結し、能力を最大限に発揮することを期待する」とあいさつした。

 現在のしらせは、「ふじ」、「初代しらせ」に次ぎ、南極観測支援を任務とする3代目の砕氷艦で、平成21年に就役した。建造費は南極観測を所管する文部科学省から支出され、海自が運用を担当している。ちなみに、防衛省ではしらせを「砕氷艦」と呼ぶが、文科省では「南極観測船」と表記している。

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