靖国爆発

事件前に下見か? 黒っぽい服に紙袋の男 爆発直後に立ち去る 不審物はトイレ屋根裏

 靖国神社(東京都千代田区)の公衆トイレで爆発音がした事件で、防犯カメラに写っていた不審な男が現場周辺を下見するように歩き回り、爆発音の直後、立ち去っていたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。男は紙袋のようなものを所持しており、警視庁公安部は事件との関連を捜査。建造物侵入容疑で現場検証するとともに、映像の解析などを進める。

 捜査関係者によると、男は黒っぽい服装で、爆発音がする23日午前10時前から現場周辺の複数の防犯カメラに姿が写っていた。爆発音の直後、袋を持たずに立ち去った可能性がある。

 爆発音がした男性個室トイレから見つかったパイプやデジタル式タイマーには、それぞれリード線が接続されていたことも判明。何者かが爆発物のようなものを製造し、トイレの屋根裏に仕掛けた疑いがあり爆発能力を調べている。

 個室トイレの天井には約30センチ四方の穴が開き、屋根裏には束ねられた金属製とみられるパイプ4本があった。床にはデジタル式タイマーや単一と単三の乾電池が数個落ちていた。

 パイプとタイマーはそれぞれ、同材質とみられるリード線と接続。当初、繋がっていたが、何らかの原因で切れた可能性がある。パイプは両端が覆われ、内容物がある可能性があり、分析を急いでいる。

 現場では爆発音や煙が確認されたが、不審物に発火の形跡はなく、爆発で生じる残留物も見つかっていない。便器に破損はなく、床や壁にも明確な焦げ痕は確認されていないことから爆発はなく、瞬間的な燃焼が起きた可能性もある。

 事件は23日午前10時ごろ発生。神社側から「爆発音がした」などと110番通報があった。パイプやタイマーのほか、乾電池や電池パック、リード線などが散乱。けが人はなかった。

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