〈歴史問題などをめぐって保守的な発言をする米国人として、その言動が幅広い支持を集めている。以前から保守的な考えの持ち主だった?〉
僕はもともと世間でいう「保守」ですよ。僕が最近、保守になったと思う人は、日曜朝のTBSの報道番組「サンデーモーニング」に出演していた頃の僕を知らないのかな。いまの番組は左の人しかいないけどね。僕は番組がスタートした昭和62年から10年間出演しました。初期のころの出演者には総務相になった高市早苗さんや、政治学者のペマ・ギャルポさん、元バレーボール全日本代表選手の三屋裕子さんたちもいて、バランスがとれていました。
ところが、湾岸戦争(平成2年)のとき、作家の瀬戸内寂聴さんが出演しました。寂聴さんが「クウェートで戦争しちゃだめだ」というから「イラクがクウェートを侵攻したのに、クウェートの人はどうすればいいんですか?」と聞いたら、彼女は「我慢すればいい。東欧の人もずっと我慢したらソ連から解放されたでしょ」っていうんですよ(笑)。
〈保守論陣の一翼を担うようになったと認識され始めたのは、昨年8月に朝日新聞が慰安婦問題に関する報道で誤報を認めてから〉
友人の中には「慰安婦の話は嘘だ」という人もいれば「日本政府が認めている」という人もいました。私は後者寄りでした。それほど関心がなかったんです。だけど、朝日新聞が誤報を認めたと聞いて考えが変わりました。なぜなら、日本国内だけがだまされていたのなら国内問題ですが、米紙ニューヨーク・タイムズなども掲載し、国連や米下院まで大騒ぎした話なんですから、すでに大きな国際問題ですよ。朝日の報道で日本の国益が著しく失われた。これは発言しないとだめだなと思って、日本語と英語で自分のブログに書きました。