政策を問う-「新三本の矢」への提言(3)

移民・難民受け入れなければ国そのものが滅ぶ危機 ファーストリテイリング会長兼社長 柳井正氏

柳井正ファーストリテイリング会長兼社長(長尾みなみ撮影)
柳井正ファーストリテイリング会長兼社長(長尾みなみ撮影)

 --日本の景気の現状をどうみるか

 「良い分野は、訪日外国人の消費などインバウンドと、ラグジュアリー(高級品)に限られていて、全体としてはあまり良くない。国内の需要が少なく、先行きも不安だ。加えて重税感がある。若い人にとっては給料が増えるような展望もない」

 --日本企業の問題点は

 「完全な実力主義になっていないことだ。古い制度を根本から変えていく必要がある。国主導ではなく、民間が主体的に変えていくことも必要だ。政府に頼めば何とかなる、という発想をやめなくてはならない」

 --人口減少問題も企業経営に影響する

 「人口減少は非常に深刻な問題だ。このまま放っておくと、日本は労働人口が不足する社会になる。人口が減って栄えた国はない」

 --安倍晋三首相は「新三本の矢」で希望出生率1.8を打ち出した

 「本来、2以上の出生率がないと人口は減少していく。こうした背景もあり、女性の活用には子育て支援が必要になる。メイドや家政婦として外国人の活用なども欠かせないのではないか。この観点からも外国人の受け入れは重要だろう」

 --シリア難民の対応が世界的課題になっている

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