軽減税率

公明、自民・谷垣幹事長を引っ張り出すも不発 「4千億以内」譲らず

 平成29年4月の消費税率10%引き上げと同時導入を目指す軽減税率をめぐり、公明党は与党協議を幹事長レベルに引き上げるよう求めた。「総額4千億円以内」を譲らない自民党に政治決断をしてもらおうと、谷垣禎一幹事長に抱きつく狙いだったが、谷垣氏は、安倍晋三首相からの「お墨付き」を胸に妥協を拒否。公明党は来月中旬に迫る協議期限を前に、正念場に立たされている。

 「4千億円以外の財源を持ってくることは無理だ」

 谷垣氏は19日朝、都内のホテルで公明党の井上義久幹事長と向き合うと、キッパリと言い放った。

 谷垣氏は24年、自民党総裁として、社会保障と税の一体改革をめぐる民主、自民、公明の3党合意にサインした当事者。19日の協議では、軽減税率の財源について、低所得者向けの社会保障充実策「総合合算制度」の見送りで生まれる4千億円の枠内でまかなう姿勢を崩さなかった。

 井上氏は「税財政全体で財源を考えても、一体改革のフレームを壊さない」と反論。枠外からも財源を上積みするよう求めたが、谷垣氏は「主張は分かった」と述べるにとどめた。

 これまでの与党協議は、対象品目を4千億円の枠内で収まる生鮮食品と加工食品の一部までにとどめたい自民党と、加工食品全体まで加えたい公明党が対立し、膠着(こうちゃく)状態に陥っていた。公明党税調幹部は「加工食品まで含めなければ痛税感の緩和にならない」と強調。来夏の参院選での選挙協力もちらつかせ、谷垣氏に政治決断を切望する。

 ただ、自民党では17日、谷垣氏ら党3役と税制調査会幹部が集まり、「4千億円の枠は譲らない」との方針を確認。同日、外遊の合間に帰国した首相も「ない袖は振れない」と複数の党幹部に語り、方針を追認したという。谷垣氏が妥協しないのはこのためだ。