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「救急専門」診療所が登場 軽・中程度の急患受け入れ 重度は高度機関へつなぐ

 同市は、初期救急が空白になる時間帯に診療所を開いてもらうことで合意し、民間の同クリニックに運営委託費を払う。良雪医師は「救急整備は、地域によって事情が違う。松阪市には中重度の急患に対応する病院はあるので、私たちは軽症の急患に対応している。地域で『住民もできる救急対応』などの普及もしていきたい」と話している。                   

課題は初期と二次の底上げ

 日本の救急医療は、その日に家に帰れる「初期救急」から、入院が必要な「二次救急」、交通事故などを扱う「三次救急」のピラミッド構造になっている。

 だが、診療所などが行う「初期救急」は、休日や夜間に診てくれるところが少なく、入院設備のある病院などが行う「二次救急」では救急車の受け入れ態勢に差がある。初期と二次が手薄なことが、軽症や中程度の患者が三次救急に集中する事態を招いている。

 二次救急では、患者の受け入れのバラツキが大きい。厚生労働省が昨年、358の二次救急の医療機関に行った調査では、どんな患者でも「原則的に受け入れを断っていない」医療機関は3割弱から5割弱程度にとどまった。患者の状態像に分けて、断る理由を聞いたところ、ほぼすべての状態像で「専門外で対応が難しい」がトップで、救急患者を診療科横断的に診ることが難しい現状が浮かび上がった。

 二次救急には、当番制で救急を受けるところも多い。

 だが、当番日に救急担当医が1人しかいないところが7割を超えるとの調査結果も過去にはあり、底上げが課題になっている。