飲み忘れ、服薬中断…「残薬」年間500億円分にも 医療費のムダどうする?

 「節薬バッグ」は平成25年2月、福岡市薬剤師会がスタート。患者が残薬を薬局に持参しやすくするためのツールとして導入した。同会によると、残薬を活用することで削減できた薬剤費は処方全体の約2割に上り、取り組みが全国に広がっている。

 ◆処方変更も

 高齢者の自宅で段ボール2箱分の残薬を発見、中には30年近く前のものも-。12年ごろから残薬をなくす啓発活動を続けてきた大阪市の社団法人「ライフハッピーウェル」代表で薬剤師の福井繁雄さん(41)は、そんな光景を何度も目にしてきた。

 厚生労働省によると、潜在的な残薬は年間500億円分に上り、薬剤師の管理や指導によって400億円分は改善できると推計されている。福井さんは「薬はただではない。無駄になった薬が国の財政を圧迫していることを一人一人が考えてほしい」と訴える。

 大阪府内の薬局ではポスターなどで残薬整理を呼びかけているが、府薬剤師会理事の道明雅代さん(60)は「なぜ残るのかを解明することが大切」と指摘する。1日2食の高齢者に食後3回分の薬が処方されていたり、漢方薬が苦手で全く飲めていなかったり…。こうした場合は、医師がその事実を知って処方を変える必要がある。また、認知症の場合は1種類だけ飲み忘れたりしないように薬剤師が1回分を1つの袋にまとめることもできる。

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