中国、ネット放送の情報統制強化か 民主派チャンネルなど81メディア摘発 7割の受像機が視聴不能に

 【上海=河崎真澄】中国でマスコミ管理を統括する国家新聞出版ラジオ映画テレビ総局が、テレビ放送や映画などをインターネット経由で多チャンネル視聴できるサービスのうち、81のメディアを摘発していたことが、17日分かった。同局の許可を得ていない違法サービスで、一部は無料で視聴が可能だった。

 国営新華社通信が運営するサイト「新華網」などが伝えた。それによると、正式に認可を得ているネット放送は国営放送系など7つのメディアのみ。中国で視聴が遮断されている香港や台湾の民主派寄りチャンネルや、日米欧など海外の報道や番組が配信されるサービスが、摘発の主なターゲットになったもようだ。

 一方で、昨年9月末までに中国国内で累計3億2千万台の専用受像機が販売されるなど、爆発的にネット放送の視聴者数は増えており、中国が違法とする無料視聴が水面下で急拡大していた。同局の摘発で既存の受像機の約7割が視聴不能になるため、今後は波紋も広がりそうだ。

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