廃部危機乗り越え人形浄瑠璃披露 平塚・高浜高文楽部が7年ぶり

 日本の伝統芸能の1つである人形浄瑠璃。県立高浜高校(平塚市高浜台)の文楽部は、15日に開催される「第39回ひらつか民俗芸能まつり」の舞台で、1人で人形を操る「一人遣(ひとりづか)い」の人形浄瑠璃「寿式二人三番叟(ことぶきしきににんさんばそう)」を7年ぶりに披露する。部員ゼロの時期が続いて一時は「廃部の危機」に陥ったが、部員数の増加をきっかけに、「再興」を目指して教諭、卒業生らと一体となって取り組んでいる。(那須慎一)

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 まつり本番を控えた放課後、計5人の文楽部員は、卒業生らの指導を受けながら、約10分の演目の練習や道具の確認など調整に追われていた。

 今回披露する演目「寿式二人三番叟」は、舞台を踏み清めるために開演前に行う「祝言舞踊」の1つで、稲を育て、水をまき、収穫するまでを踊りで表現し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る内容だ。

 人形浄瑠璃は、3人がかりで一体の人形を操るスタイルが主流だが、高浜高文楽部では、人形を自身の体に結びつけ、ひもを使って自身の頭を動かすと人形の顔も上下左右に動くなど、すべての人形の動きを1人で行う「一人遣い」という手法が特徴。

 もっとも、伝統芸能を守るために苦労もあった。

 部は昭和47年に活動をスタートしたが、平成23年以降は部員がゼロの状態が続き、廃部の危機に。学校側は伝統を絶やしたくないと、毎年春の新入生向けの部活紹介で文楽部をアピールしてきたところ、昨年4月に現3年生の森ゆうさん(18)が入部。顧問の高橋優子教諭(55)や卒業生が中心に活動している「湘南座」のメンバーらが練習をサポートし、今回の発表にこぎつけた。今回の舞台の復活に奔走した森さんにとっては引退公演でもあり「まだ完璧ではないが、精いっぱいやりたい」と意気込む。

 現部長で、2年生の原田達海さん(16)は唯一の男子部員だが、「練習をすればするほど上達し、達成感もある。他の演目にも積極的に取り組みたい」とさらに上を目指す。

 今春には1年生3人も入部して5人態勢になったが、高橋教諭によると、「本来、太鼓を鳴らす人などを含めると部員は9人欲しいところ。今後も、伝統として大事に受け継いでいき、部としての活動を活発化したい」と話し、再興を期している。

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 「第39回ひらつか民俗芸能まつり」は15日、平塚市の市中央公民館で。午後0時半開演。入場無料。問い合わせは、平塚市教育委員会(電)0463・35・8124。

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