原料は、下野市産のユウガオ。中身をくり抜いて外皮を乾燥させ、スピーカーボックスにする。その中に2つのスピーカーを入れ、結城紬(つむぎ)の素材で固定する。
高橋社長は「ユウガオの実はバイオリンの祖先、ラバーブという弦楽器に使われており、音と相性は良い。天然素材独特の響きがある」と説明する。
昭和44年の創業以来、オーディオ製品の音質向上を追求し、古来、楽器にも使われたユウガオに着目した。長年のノウハウも生かされているだけに、高橋社長は「今までにないほど音が響き渡る。透き通った音色」と自画自賛する。
アピールポイントは、音響だけではない。一つ一つが手作り。ユウガオの実をそのまま使うため、大きさや形状も一つずつ異なる「オンリーワン商品」で、インテリアにも向いている。中身がくり抜かれているため、縦、横、奥行きともに35センチ前後の大きさで重さ1・5キロと軽量だ。また、1年後の販売をめどに、ケーブル接続の必要がないアンプ内蔵タイプの開発も進めている。
カンピョウを全国へ
国は平成19年に始まった地域資源法に基づく制度で、地域資源を活用した中小企業の事業を支援してきた。地域産業資源活用事業計画の認定は、今回の同社で県内14件目。同法は今年8月に法改正され、「ふるさとの名物」をテコに地域活性化を図るという側面が強調された。