福島第1原発事故

「『被曝で白血病』はデマ」「よくなった部分も伝えて」 ルポ漫画「いちえふ」作者の竜田一人さん、原発報道に疑義

この基準は昭和51年11月に公表された。労災請求があった場合、医師らで構成する「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」(非公開)で認定の可否を判断する。

 厚生労働省によると、今回労災認定を受けた男性は、23年11月~25年12月までに約1年半、複数の原発で作業に従事。1Fでは24年10月~25年12月の約1年1カ月働き、具体的には原子炉建屋の覆い設置工事や廃棄物焼却設備の設置工事に携わった。累積被曝量は19.8ミリシーベルト、うち15.7ミリシーベルトが1Fでのものだった。同省では今回の労災認定を「補償が欠けることがないよう配慮した。科学的に被曝と発症の因果関係を証明するものではない」と説明している。

 だが、報道各社の伝え方は差があった。朝日新聞(10月21日付)は「原発事故への対応に伴う被曝と作業員の疾病に一定の因果関係があるとして労災が認められるのは初めて」と報道。東京新聞(同)は「福島第一での被ばくが白血病の大きな原因になった可能性があると判断した」と伝えた。

 竜田さんは「男性には当然労災申請する権利があるし、認められてよかった。でも、こういうことを正確に知らず、『原発で5ミリシーベルト以上浴びれば白血病になる』と勘違いする人もいる。怪しい情報に飛びついて『真実だ』と思われるのが一番困りますよね」

「前進」に目を向けて

 『いちえふ』3巻では、1F構内に、すっかりおなじみになった白い防護服ではなく、作業服で出入りできる場所が増えたことも紹介されている。「汚染水の処理にしても、報道では『漏れた』ということだけ言われるでしょ。それは伝えなきゃいけないことだけれど、良くなっていることは伝えられない」

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