中台首脳会談

習主席、台湾提案に「ゼロ回答」 主導権ガッチリ…アメとムチ政策強める

 【シンガポール=矢板明夫】習近平氏と馬英九氏の中台トップ会談で、中国は最も確認したかった「一つの中国」についての言質を台湾側から引き出したが、台湾側が提案した「台湾向けのミサイルの撤去」などの具体的に事項について、中国側はほとんど回答しなかった。

 台湾側が「対等な立場」と繰り返し強調した会談は、ほぼ中国ペースで進められたといえる。

 この日の会談で、習氏は台湾独立志向の民進党を批判した。その上で、中台の統一問題について「歴史に対し、民族に対し、責任ある態度で正しい選択をすべきだ」とも述べた。あたかも馬氏に説教したかのようだった。

 中国は2000年ごろから、台湾民衆の反中感情が高まるのを警戒し、経済、文化分野を中心に交流を進めてきたが、政治的分野については介入してこなかった。しかし今回、中台トップ会談が実現したことで、習政権はこれまでの政策を改め、台湾への統一工作を加速するとみられる。

 中国側が今回の会談の成果を生かすためには、引退後の馬氏の台湾における影響力を温存することが必要だ。今後、台湾の親中国勢力に対し利権を配分するといった形で懐柔し、独立勢力に対し経済的な制裁を加えるなどアメとムチ政策をますます鮮明化していくとみられる。