衝撃事件の核心

尼崎事件「戦慄の暴力装置」李被告 丸太緊縛、頭踏みつけ、虐待発案…「反省と謝罪と供養」法廷でみせた涙は真実か 

 しかし、元被告の登場で、人生の歯車はふたたび大きく狂い始める。

美代子元被告に離婚強いられ

 李被告が幼いころに母親は離婚していたが、再婚した相手(義父)は、皆吉さんの兄だった。

 それによって仲島さんと、皆吉さんの次女の角田瑠衣被告(30)=殺人罪などで公判中=とは親類として顔見知りになった。

 さらに、義父は元被告の内縁の夫と知り合いだった。奇妙な縁で李被告は元被告とつながり、14年ころ、「義父の借金の面倒をみる」との理由で元被告が義父に連れられ、自宅にやってきた。これがすべてのきっかけだった。

 「何かあったら力になるで」

 「父親の借金も何とかしたる」

 元被告は最初、李被告の家庭を心配するそぶりをみせていた。しかし、間もなく本性を現す。

 「息子の自分(李被告)がなんで動かんと、私ばっかり動かなあかんねん」

 ある日、義父の借金返済に協力しない李被告をとがめてきた。

 「仕事あるからおばちゃんのように動かれへん」。李被告が家庭と仕事を持つ自らの立場を説明すると、元被告の顔はみるみる変わり、見たことのないけんまくで怒り出した。

 「何抜かしとんじゃい」

 「後ろにある(自分のバックにいる)もんわかってんのか」

 元被告は、次男(28)=殺人罪などで懲役17年確定=が大きな暴力団の組長との間に生まれた子供だとうそをついていた。李被告に恐怖感を抱かせると、さまざまな要求を突きつけ、妻とも強引に離婚させた。

 李被告は元被告の手によって孤立し、社会から引き離された。

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