【春画こぼれ話・その弐】春画は大名たちのプレミアムカードだった…洒脱さ競い江戸城内で交換 細川護熙元首相のおすすめは…(1/3ページ) - 産経ニュース

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春画こぼれ話・その弐

春画は大名たちのプレミアムカードだった…洒脱さ競い江戸城内で交換 細川護熙元首相のおすすめは…

春画について語る永青文庫の細川護熙理事長
春画について語る永青文庫の細川護熙理事長

 「大名家で春画を持ってなかったところはないと思う。まだ皆さん、隠しておられるんですよ」

 今年5月に行ったインタビューで、細川護熙・永青文庫理事長は冗談交じりにこう話していた。同文庫で好評開催中の「春画展」では、永青文庫蔵-つまり細川家ゆかりの春画も2件披露されているが、展示品の中には他の大名家(具体的な名前は伏せられている)や豪商が愛蔵していた肉筆・浮世絵春画もある。日本初の本格的な春画展へ「細川さんがひと肌脱ぐのなら」と、秘蔵品の出品に応じた所蔵者もあったそうだ。

 「この展覧会が引き金になる」と細川理事長は確信する。豪華な肉筆春画は1点モノ。ひそかに所蔵され、研究者も知らない作品がまだ全国にあるかもしれない。春画の文化的価値について広く理解が進めば、作品の公表・公開も進み、研究も進むだろうとみる。

 諸大名や旗本らは楽しみだけのために、絵師に春画を描かせたり、豪華な錦絵を集めたわけではない。

 永青文庫の三宅和秀学芸課長によれば、大名家などでは嫁入り道具として、12枚続きの春画(普通は巻物2本に表装される)を持たせたという。また、一代に一つ、甲冑を新調する習慣があり、その際にも春画1巻を制作して鎧櫃(よろいびつ)に一緒に入れるのがお決まりだったそう。春画は家の繁栄や戦の勝利などを願う縁起物。何しろ春画は「勝絵」とも言われ、日露戦争時にも弾丸除けのお守りとして、春画をひそかに携帯する兵士がいたとか。男女の交わりとはすなわち、「生」につながるからだろうか。