東日本豪雨で浸水、アピタ石下店12月初旬閉店 茨城

 ■「復旧費用莫大に」、雇用面でも影

 東日本豪雨による鬼怒川の堤防決壊で、店舗に100人以上の買い物客らが取り残された常総市本石下の商業施設「アピタ石下店」が、12月初旬に閉店することが分かった。浸水を免れた2階部分を利用して営業を再開させていたが、復旧費用がかさみ全面再開を断念せざるを得なかった。(桐原正道)

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 アピタを運営する「ユニーグループ・ホールディングス」(愛知県稲沢市)の担当者は閉店の理由について「全面再開に向けて頑張っていたが、甚大な被害を受けたため、復旧費用が莫大(ばくだい)になった」と語った。復旧に向け投資をしても、回収しきれないという。

 避難所から数日前に自宅に戻り、流された雑貨を買いにきた常総市大房の男性(86)は「このあたりで一番大きなお店なので、閉店すると聞いてびっくりした。便利だったので残念だ」と肩を落とした。

 近くにあるスーパー「エコス石下店」は水害以降休業中だ。このままアピタ石下店が閉店してしまえば、この地域で生鮮食品を扱うスーパーは一時的に消えることになる。自転車でアピタ石下店を訪れた同市小保川の男性(85)は「下妻市のスーパーまで行かなければならなくなる」とため息をつく。

 もっとも、こうした事態になりかねないことはエコス石下店も認識している。運営する「エコス」(東京都昭島市)の担当者は「大勢の従業員が被災し、すぐに職場復帰できない人もいる。遅くとも来年2月までの営業再開を目指している」と話す。

 ただ、来年2月だと生鮮食品などを買うことができない「空白期間」が生じるため、現在、再開時期の前倒しを検討中だ。

 アピタ石下店の閉店決定は雇用面でも暗い影を落としている。

 ユニーグループ・ホールディングスによると、アピタ石下店に勤務する正社員12人は別店舗などに配置転換する方針。パートやアルバイトの112人については「決まっていない」。アピタ守谷店(守谷市久保ケ丘)も来年2月で閉店する予定で、県内に残る店舗はアピタ佐原東店(稲敷市西代)のみ。近隣店舗への配置転換は困難な状況となっている。

 アピタ石下店は、9月10日の水害発生から3週間後の10月1日、2階部分を利用して営業を再開。開店前に約100人が列をつくるなど、復旧・復興の象徴となっていた。

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