政府・与党が消費税率10%への引き上げと同時に導入する軽減税率の対象品目について、精米や野菜などの「生鮮食品」を軸に一部の「加工食品」を加える方向で検討に入ったことが3日、分かった。自民党内には厳しい財政状況を踏まえ、対象を絞り込むべきだとの意見も強いが、来年夏の参院選を控え、低所得者対策として幅広い品目への適用を求める公明党の主張にも配慮する。制度の詳細は今月中旬にまとめる。
対象品目では、新聞と出版物も加えることを検討している。
政府・与党は軽減税率導入に伴う税収減の穴を埋める財源として、低所得層の医療、介護などの自己負担を抑える「総合合算」の新設見送りで浮く年約4千億円を充てることを決めている。
自民党税制調査会や財務省では、確保した約4千億円の枠内で軽減税率を導入する考え。このため、対象品目の範囲に関しては、生鮮食品(2%の軽減税率の適用で年3400億円の税収減)までにとどめることを目指してきた。
これに対し、公明党は消費税増税に伴う買い物時の負担軽減効果を重視して「酒類を除く飲食料品」(同1兆3千億円の税収減)を主張。子育て世帯の加算措置の見直しなどにより追加財源を捻出するよう求めてきたが、自民党や財務省は否定的だ。