月刊正論

日本よ腹をくくれ! 尖閣開発プロジェクトを発動せよ 北村淳(軍事社会学者) 

 もっとも、以前は空中警戒監視能力が貧弱であった人民解放軍も、昨今は新鋭の早期警戒機や早期警戒管制機を運用するようになっている。そのため、東シナ海の中国ADIZだけでなく、日本ADIZに食い込む空域までの警戒監視ができないわけではない。

 しかし、早期警戒機などを常時飛行させるには、多数の機体や要員が必要となり燃料費等の経費も莫大なものとなる。それに比べると、オイルリグの対空監視レーダーは24時間365日稼働させることが容易である(警戒機と違って、オイルリグレーダーの低空域に対する監視能力は極めて限定されるため、戦時ではあまり役立たない)。したがって、平時においては極めて効率のよい対空警戒監視装置ということになる。

 上空の監視だけではない。オイルリグに水上監視レーダーを設置すれば、100キロ近い範囲に接近する艦艇船舶を探知することが可能になる。対空レーダー同様に、この種の水上監視レーダーは中国海軍艦艇にも搭載されており、現在でも日中中間線周辺海域を遊弋している中国軍艦によって海自艦艇の動向を監視することは可能である。

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