月刊正論

日本よ腹をくくれ! 尖閣開発プロジェクトを発動せよ 北村淳(軍事社会学者) 

 なぜならば米軍射爆場は「現時点では訓練等に使用していなくとも米軍にとって必要な区域」ということで米軍の排他的管理地とされているからだ。アメリカ政府の許可がなければ観測設備を建設することができないのだから、アメリカも何らかの形で計画に関与せざるを得なくなる。このようにして、アメリカ政府が日本の・実効支配・を名実ともに支持していることを内外に示すのだ。

 さらに魚釣島には、周辺海域での操業が認められている日本と台湾の漁民の避難施設を建設するのもいい。台湾の漁民による操業は日本側も公式に認めているのであるから、避難施設の建設と運営は日本と台湾が共同で実施すれば、日本は台湾と共に中国に対して共同戦線を形成することになる。

 このような民間施設がある以上、尖閣諸島を実効支配している日本政府としても、測候所を利用する研究者や訪問者それに漁業関係者の航行や滞在の安全を確保するために、海上保安庁の管理施設や救難ヘリコプター用航空施設などの整備計画も実施する。

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