月刊正論

日本よ腹をくくれ! 尖閣開発プロジェクトを発動せよ 北村淳(軍事社会学者) 

 何をやっても中国側が猛反発をするのであるなら、中国が侵攻部隊を編成して威嚇せねばならないレベルの「強烈なシンボル」を造りだしてしまったほうが上策である。少数の軍艦や戦闘機を繰り出すレベルでなく、本格的な軍事行動が必要となれば、中国政府にとってもハードルは高い。そして、威嚇とはいえそのような大規模軍事行動を発動したならば、アメリカも否応なく引きずり込まれることになる。

尖閣諸島開発プロジェクトを発動せよ

 日本側が、このような「目に見える形のシンボル」としうるのは尖閣諸島である。日本政府が主導して尖閣諸島に何らかの施設を建設するプロジェクトを立ち上げて、日本が実効支配していること、そして日中中間線の主張を目に見える形で国際社会にアピールするのである。

 たとえば、魚釣島に海洋気象測候所を建設し、久場島、北小島や南小島、それに大正島にも測候所付属観測設備を置く計画が考えられる。この計画には、久場島と大正島を射爆場として管理権を保持しているアメリカを当事者の地位に引きずり込むことができるという大きな利点を伴っている。

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