「日本も日中中間線の日本側海域に数基のオイルリグを建設して中国に対抗すればよい」という意見もあるようだ。たしかに、日中中間線を挟んで中国と日本がオイルリグを建設してにらみ合いとなれば、日中中間線の存在を目に見える形で示すことにはなるであろう。
しかし、このような海域海底から天然ガスを産出したとしても、500~600キロもの長距離海底パイプラインで九州のガスプラントと結ぶ必要がある。沖縄本島までは400キロのパイプラインと若干距離が短くなるが、沖縄からタンカーで運搬しなければならなくなる。いずれにせよ、日本側にとってこの海域の海底ガス田は極めてコストパフォーマンスが悪く、おそらく採算はとれないであろう。
コスト度外視で建設する選択肢もあろうが、日中中間線を認めていない中国は、そのような建設作業に対しては猛烈に反発し、場合によっては軍艦や軍用機を繰り出して威嚇するという強硬手段を用いてでも建設妨害をするであろう。