※この記事は月刊正論10月号から転載しました。ご購入はこちらから。
中国が東シナ海の日中中間線周辺海域に多数の天然ガス掘削用プラットフォーム(オイルリグ)を建設している状況を日本政府は公表した。それに伴い、日本では軍事施設化するのではないかとの危惧や非難の声が上がっている。しかし、何ら具体的な対抗策は打ち出されていないのが現状である。
オイルリグへの攻撃兵器設置はメリットが少ない
オイルリグにミサイルをはじめとする兵器を設置して、自衛隊艦艇や航空機を威嚇するのではないか-という声がある。もちろん、それは理論的には可能である。たとえば人民解放軍がロシアから導入したS-400という新鋭ミサイルシステムの改造型を設置でもしたら、自衛隊機が那覇基地を離陸した直後にオイルリグから発射した対空ミサイルで撃墜されかねない。