銃声なき抗争

(1)分裂山口組繰り広げられる暗闘の真相 総本部「乗っ取り情報」

10月29日午前、神戸山口組有力団体「宅見組」に家宅捜索に入る兵庫県警の捜査員=大阪市中央区
10月29日午前、神戸山口組有力団体「宅見組」に家宅捜索に入る兵庫県警の捜査員=大阪市中央区

 国内最大の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区、6代目組長・篠田建市=通称・司忍)から13団体が離脱して神戸山口組(組長・井上邦雄)を結成した分裂騒動から1カ月が経った9月ごろから、ある怪情報が警察当局や暴力団関係者の間を回り始めた。

 「神戸山口組が(山口組の)総本部の乗っ取りを画策しているらしい」

 神戸山口組は、山口組の2次団体の最大勢力山健組組長の井上邦雄をはじめ、幹部13人が今年8月下旬、傘下団体の一部を引き連れて離脱し、結成した新たな暴力団。現在は山健組の事務所などを拠点にしており、総本部には分裂以来入っていない。

 暴力団関係者によると、怪情報には法的根拠があるという。山口組の総本部がある神戸市灘区篠原本町の土地は、株式会社「山輝」が所有している。

 山輝は、山口組の「直参」と呼ばれる2次団体幹部全員が株主となっており、神戸山口組に移った13人の幹部も株主という立場に変わりはない。株主という法的立場から「総本部の土地の一部の権利を主張できる」という理屈となっているという。

 「株主として、駐車場だけでも裁判所に対して所有権を主張して使用の差し止めを求めれば、総本部は使えなくなる」。ある暴力団関係者はそう指摘する。

会員限定記事会員サービス詳細