吉右衛門「憧れの源内作品」100年ぶり再構築 国立劇場「神霊矢口渡」

「神霊矢口渡」
「神霊矢口渡」

江戸時代、マルチな才能を発揮した博物学者、平賀源内(1728~79年)が、戯作者「福内鬼外(ふくうちきがい)」の名で書いた「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)」が3日から国立劇場(東京都千代田区)で上演される。

軍記物「太平記」を基に南北朝時代の武将、新田義興(1331~58年)の武蔵国矢口渡での非業の最期などを描いた浄瑠璃作品。通常、原作の四段目「頓兵衛住家(とんべえすみか)」だけが上演されるが、今回は通し上演で、新田家家老の由良兵庫之助(ゆらひょうごのすけ)(中村吉右衛門(きちえもん))の苦衷を描く「由良兵庫之助新邸(しんやしき)」の場面を100年ぶりに復活上演するのが目玉だ。

100年前、祖父の初代吉右衛門が勤めた役を引き継ぐ当代吉右衛門は「エレキテルなど誰もまねできないことを研究し、再構築した源内に学生時代からひかれていた。兵庫之助は元は良い人が忠義のため、悪人のように振る舞っていた役。ドライな展開で難しいですが、現代のお客さまに通じる」と、源内にあやかって物語の再構築を目指す。

会員限定記事会員サービス詳細