音楽考察

CMから耳慣れたリフやメロディーが減ったのはなぜ? ビートルズ、ツェッペリンは少ないのにクイーンが多いのは?  

おしゃれ感、メジャー感

 こうした事情のほか、昨今の経済環境もあり、「どれだけお金を出しても洋楽を使いたいというCMスポンサーは減ってきた」との声もある。1ドル=80円時代に比べれば、現状では円安が進み、海外アーティストに支払う費用は、それだけ膨らむことになる。こうした費用対効果を勘案し、すでに著作権が切れた「パブリックドメイン」となっているクラシック曲などが多く使われるのもそうした流れのひとつといえる。

 とはいえ、CMから洋楽が消えたわけではない。CM総研の関根代表は「ここ一番で、先進性やおしゃれ感、メジャー感を出すために洋楽を使う例はある」と指摘。携帯電話キャリアー3位だった当時のソフトバンクが平成18、19年頃を中心に、ノーランズなどの洋楽を使ったCMをヒットさせたのもその例という。最近では、サントリー「プレミアムボス」のCMにエリック・クラプトンの曲が使われ、「普通のラインのコーヒーと一線を画した上質感を出している」と関根代表は解説する。

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