そもそも洋楽アーティストの中には、ハナから交渉する席に着かないケースもままある。
料金の高さから日本で洋楽のCM使用そのものが減っているか、というとそうではない。CM総合研究所(東京都港区)の関根心太郎代表によると、洋楽が使われるCMの数は年間に500本前後。「直近の5年間でほとんど変わっていない」という。
洋楽アーティストの“タイミング”
CM音楽には大きく分けて3つのタイプがある。1つはオリジナル曲。商品名や企業名を連呼する曲もこれに当たるが、このパターンで洋楽アーティストを起用することはまずない。2つめはタイアップ曲。そして3つめがヒット曲やスタンダード曲といった既存曲を使用するパターンだ。
タイアップ曲は、そのCMで使うことを前提に、使用者、権利者双方が提携して生まれる新曲を指す。タイアップ曲としての事前申請をJASRACなどに行えば、使用者は放送使用料を低く抑えられるメリットがある。権利者にとっては使用料は減るが、それよりも音楽が広く使われ、世間に流れることを重視してタイアップを組む邦楽アーティストは多い。