中韓首脳会談

「対日共闘」事前打ち合わせ、安倍氏に不快感 李首相が朴槿恵大統領にFTA発効催促か

 【ソウル=矢板明夫】中国の李克強首相は31日にソウルを訪れ、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した。中韓間の政治、経済分野の協力深化について意見交換したほか、日本の歴史認識問題も話題になったとみられる。1日に開かれる日中韓3カ国首脳会談を控え、中韓の首脳が対日共闘について事前に打ち合わせた形だ。

 韓国メディアによると、会談の冒頭で、朴大統領は「3カ国首脳会談の実現に李首相が積極的に協力してくれたことに感謝する」と発言。李首相は「われわれは中韓関係の発展を進め、北東アジア地域の平和と安定をともに進めていくよう望む」と応じたという。

 中国と韓国は6月に自由貿易協定(FTA)について署名したが、韓国の国会で審議中で、李首相は会談で朴大統領に対し、同協定の早期発効を求めたほか、中国の習近平政権が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」への協力も朴大統領に呼び掛けたとみられる。

 また、韓国で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への「参加論」が高まっているが、中国は自国の孤立を避けるため、韓国の参加を阻止したい思惑があるとされる。会談で、李首相は投資拡大や経済交流強化などを約束し、TPPに参加しないように朴大統領を牽制(けんせい)したとみられる。

 歴史問題で韓国に対し、対日共闘を呼び掛けることも李首相訪韓の主な目的のようだ。中国外務省関係者によると、1日に行われる日中首脳会談で、李首相は安倍晋三首相に対し「日本の歴史認識問題を正す主張」を行うという。一方、安倍首相は中国の南シナ海での人工島建設問題を取り上げるといわれている。これに対し、中国の王毅外相は31日、ソウル市内のホテルで記者団に「日本は南シナ海と何の関係があるのか」と不快感を表明した。