桑名「北山C遺跡」に古墳55基 釜垣内遺跡からは化粧道具セット

 弥生~古墳時代の集落があったとみられる桑名市志知の北山C遺跡で見つかった5世紀(古墳時代中期)の円墳と方墳は計55基に上り、北勢地方で屈指の数を誇る古墳群になったと、県埋蔵文化財センターが発表した。一方、鈴鹿市小岐須町の釜垣内(かまがいと)遺跡で出土した13世紀(鎌倉時代)の墓の副葬品を分析したところ、鏡や毛抜きなどが木箱に入った化粧道具セットの存在が明らかになった。

 両遺跡ともに新名神高速道路の建設に伴う調査。北山C遺跡の古墳群は員弁川を見渡す河岸台地上に集中。4年間で円墳9基、方墳46基の計55基を確認し、北勢地域では鈴鹿市の石薬師東古墳群の66基に次ぐ古墳群となった。

 古墳はすべて盛り土部分が削られ、周りに深さ数十センチの周溝を確認。円墳は直径17~6メートル、方墳は一片20~6メートルで、古墳内からは勾玉(まがたま)や鉄製の刀、円筒埴輪の破片なども出土している。

 現地説明会は31日午前10~11時。問い合わせは(電)080・3677・5934。

 釜垣内遺跡は鈴鹿山脈東麓の扇状地。東西50メートル、南北30メートルの溝に囲まれた鎌倉時代の屋敷地が確認され、12メートル四方の大型掘立柱建物跡など3棟が見つかった。

 その外側から墓3基が出土し、うち1基から直径10センチの青銅鏡、毛抜き、握りばさみが木箱の一部とみられる木片とともに見つかり、女性の化粧道具セットと推定できるという。

 現地説明会は11月1日午後2~3時半。問い合わせは(電)080・3677・5927。

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