NHK考

「受信料は欧米より安い!」-籾井会長の発言はホントなのか? 

韓国は年額2823円

 ただ、目を「欧米」の「米」に向けると、事情は異なる。米国には受信料制度そのものが存在せず、公共放送の財源は、政府交付金や企業、個人からの寄付金などで賄われている。もっとも、米国では多年にわたり、ケーブルテレビ会社などと有料契約を結んでテレビを見ることが一般的なため、視聴者の多くは「テレビはお金を払って見るもの」といった認識でいる。

 このほか、オーストラリアやオランダ、ベルギーなどの公共放送でも、受信料制度が存在しなかったり、廃止されたりしている。そうした国々は、ほぼ政府交付金と広告収入で運営している。

 また、韓国の公共放送KBSの受信料は、年額2823円(3万ウォン)と、NHKと比べ破格の安さだ。受信料に加え、一部チャンネルでCMを流すなどして広告収入を得ているためだ。なお、韓国では受信料が電気料金と合わせて徴収されているのも特徴だ。

「奇跡に近い制度」

 こうして海外と比べると、NHK受信料の特異性が見えてくる。海外の公共放送の多くが政府交付金や広告収入を得て成り立っているのに対し、NHKは、国際放送を除き、ほぼ受信料のみで運営されているという点だ。

 NHK幹部は「海外でNHKの受信料制度を説明すると、大抵、驚かれる。政府交付金を受け取らず、不払いの罰則もない。視聴者の理解と善意だけで成り立っている、奇跡に近い制度」と話す。

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