浪速風

これぞ「自動車」だが

星新一さんのショートショート「ゆきとどいた生活」は、何もかもが自動化された未来を描く。朝、天井からおりてきた手が毛布をどけ、抱き起こしてシャワー室に連れて行ってくれる。着替えも自動で、朝食がすむと、繭(まゆ)形の車に乗り、ボタンを押すだけでパイプの道路を通って会社に着く。

▶開幕した東京モーターショーの話題は自動運転車である。各社が競ってコンセプトカーを出展し、体験試乗会や無人の車が走る演出もある。衝突防止の自動ブレーキはすでに市販車に搭載されているが、ハンドルを握らなくてもいい自動運転もそう遠くない。事故の減少や渋滞解消が期待される。

▶宮崎市で軽乗用車が歩道を暴走して歩行者や自転車をはねた。自動運転ならこんな事故もなくなるだろう。が、実用化には課題が少なくない。万一、システムが誤作動したらどうなるのか。「ゆきとどいた生活」の結末も…。ネタバレになるのでブラックユーモアとだけ書いておこう。