兵庫県警の捜査の一部「違法」 県に87万円賠償命令 神戸地裁

 元暴力団組員に対する逮捕監禁事件などで兵庫県警に逮捕され、神戸地検姫路支部に起訴された男性3人と弁護人を務めた弁護士が、違法な捜査で精神的苦痛を受けたとして、県と国に計1300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、神戸地裁であった。伊良原恵吾裁判長は県警の一部捜査の違法性を認定し、県に87万円の支払いを命じた。国への請求は棄却した。

 男性3人は韓国籍で元会社経営の陳春根被告(44)=別の殺人罪などで起訴=と、逮捕監禁事件で有罪判決が確定した元被告2人。判決によると、県警の捜査員が平成23年2月~24年1月、逮捕監禁事件などの任意捜査段階で元被告2人を警察署の取調室やホテルに最大4泊5日宿泊させたほか、陳被告の取り調べで「弁護士の言うことを聞いていたら最悪の結果になる」などと発言した。

 伊良原裁判長は判決理由で、宿泊を伴う取り調べについて「実質逮捕といえる違法な身柄拘束」と指摘。取り調べでの発言も「被告を不必要に混乱させ、弁護士との信頼関係の形成を妨害した」と結論づけた。

 県警の河本博幸監察官室長は「関係機関と協議して今後の対応を決めたい」とコメントした。

 陳被告はこの事件を含む複数の男性に対する殺人罪など計11件の罪で起訴されている。