生活保護停止決定取り消し命令 さいたま地裁「考慮欠いている」

 通院のためさいたま市見沼区の自宅を春日部市のマンションに買い替えたことを理由に同市が生活保護の支給を停止したのは違法だとして、同市の60代女性が停止決定の取り消しを求めた訴訟の判決で、さいたま地裁(志田原信三裁判長)は28日、原告側の主張を認め、同市に生活保護停止決定の取り消しを命じた。

 判決で志田原裁判長は「原告の特殊事情などに対する十分な考慮を欠き、社会通念に照らして妥当性を欠いている」と指摘した。

 判決文などによると、女性は40代の長男と2人暮らしで、平成22年からさいたま市で生活保護を受給しながら春日部市内の病院に通院。23年に交通事故で足が不自由になり、通院の負担軽減のため25年に自宅を売却、ほぼ同額で春日部市内のマンションに買い替えた。同市は26年1月から生活保護の支給を始めたが、「マンション購入により生活が困窮した」として売却を助言。女性が従わなかったため、同年6月に支給を停止した。

 判決を受け、原告側代理人は「市は生活保護法の適正な運用に努めてもらいたい」とコメント。同市は「判決文が届き次第、対応を検討する」としている。

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