アサヒビールのビール風ノンアルコール飲料「ドライゼロ」が製造特許を侵害しているとして、ライバル商品「オールフリー」を販売しているサントリーがアサヒに対し、ドライゼロの製造・販売差し止めを求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。長谷川浩二裁判長は「サントリーの特許は既存製品から容易に発明できるもので、進歩性がない」として、サントリーの訴えを退けた。
この訴訟の焦点は、サントリーが申請し登録された製造特許が有効かどうかだった。
サントリーの製造特許は「エキス(飲料に含まれる風味成分)の割合=0・5~2・0%」「水素イオン指数(pH)=3・0~4・5」「糖質含有量=100ミリリットル当たり0・5グラム以下」のノンアルビールについて、製造特許を持つというもの。サントリーは「ドライゼロの成分はこれらの範囲内にあり、特許侵害だ」と主張していた。
一方、アサヒは「エキス割合やpHを調整して味を設計するのはビール業界では一般的な手法。さらに特許は既存の製品から容易に発明できるもので進歩性がない」などとして、特許は無効だと反論していた。