社説検証

「南京」記憶遺産登録 「容認できない」と産・読

 4紙は反論に節度求める

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に、中国申請の「南京大虐殺文書」の登録が決まった。産経と読売は、反日宣伝のためのユネスコ利用であり、「容認できない」と声を上げた。日本政府も強く抗議したが、毎日など4紙は、南京事件を軽んじていると取られかねないと冷静な対応を求めた。

 記憶遺産は、文化、自然などの世界遺産、無形文化遺産と並ぶユネスコの遺産事業の一つで、歴史的に価値の高い文書などの保存、活用が目的だ。

 南京大虐殺文書は、軍事法廷の判決書や当時の写真、日記などからなるが、産経は「歴史歪曲(わいきょく)」であり、登録申請には「日本をおとしめる意図がある」と断じた。日本の専門家の実証研究で「南京事件との関連が否定されている写真が含まれている。信憑(しんぴょう)性などに大きな疑問があり、記憶遺産に値しないもの」だからだ。

 読売も「歴史問題を巡る中国の一方的な主張に、国際機関が『お墨付き』を与えたと誤解されないか。憂慮すべき事態である」との認識を示し、「判決書は、南京事件の犠牲者を『30万人以上』としている。だが、日本では、当時の人口動態などから、実態とかけ離れているとの見方が支配的だ」と、歴史資料としての価値を疑問視した。

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