「慰安婦」朝日誤報を明記 大阪府立高補助教材の全容判明、政府見解や戦後70年談話も

 朝日新聞が慰安婦報道の一部記事を取り消した問題を受け、大阪府教委が作成していた高校日本史の補助教材の全容が27日、明らかになった。慰安婦の強制連行をめぐる誤報を認めた朝日新聞の説明や政府見解など、教科書に記載されていない慰安婦問題の経緯が分かる内容。28日に開かれる教育委員会議で報告し、近く全府立学校に配布する。

 題名は「『慰安婦』に関する補助教材」で、A4判8ページ。慰安婦問題に関する近年の主な動き▽記事の掲載と取り消しについて▽慰安婦問題に対する日本政府の考え-の3章で構成されている。

 第1章は、「お詫びと反省」を表明した河野洋平元官房長官による平成5(1993)年8月の「河野談話」や慰安婦問題についての安倍晋三首相の国会答弁、「戦後70年談話」などを年表にして紹介した。

 第2章は、朝日新聞が昨年、韓国で慰安婦を強制連行したとする吉田清治氏(故人)の証言を虚偽と判断、16本の記事を取り消し、第三者委員会からの報告を受けてさらに2本の記事を取り消した-と明記。第3章では、外務省ホームページの政府見解を詳細に掲載している。

 府教委は、慰安婦問題を授業で扱う際、対象の生徒全員に補助教材を配布することや、すべての内容を指導するよう府立学校に通知する方針。さらに、補助教材の活用状況について年1回、府教委へ報告するよう求めている。

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