捜査関係者によると、中安容疑者が誇る専門性も、IT技術の専門家からすれば「あくまで専門用語をかみ砕いて説明するのがうまい一般人」のレベルだといい、「専門性の半分ははったり」とも指摘する。
週の半分しか厚労省に出勤しないなど、異常は明らかだった。中安容疑者が所属していた部署が発注したシステム関連の事業は、贈賄側のIT関連会社以外、ほとんどが大手のIT企業ばかりでもあった。厚労省側は、警察の指摘を受けるまでに、不正に気付くことはできなかったのか。
捜査関係者は「同じ部署に長く、専門家を自認していた中安容疑者に上司は全く口を差し挟めない状況になっていた。組織として機能していなかったことが汚職の最大の原因だ」とみている。