新聞や出版物への軽減税率の適用は、欧州諸国で主流となっている。活字文化は「思索のための食料」との考えがあり、民主主義を維持する上で必要な「社会的公共財」と捉えられているからだ。
標準税率が20%を超える欧州諸国の多くは、新聞・出版物に対する適用税率を10%以下にしている。識字率や読解力の向上に役立つ観点からイギリスやベルギー、デンマークなどは新聞購読料に付加価値税を課していない。課税強化が言論弾圧の手段になってきた背景もあり、自由な言論と報道への適用は「民主主義の必要経費」とされている。
日本新聞協会は今月15日、軽減税率適用を求める特別決議を3年連続で採択。協会会長の白石興二郎読売新聞グループ本社社長は「読者の負担を減らすことで情報、知識へのアクセスが容易となり、結果的に減税措置は社会に還元される」と説明した。
与党では自民党の細田博之幹事長代行が「新聞などの出版物は人類にとって極めて重要」と訴え、公明党の山口那津男代表も「新聞・書籍は民主主義の基礎を支える制度的インフラ」として、対象品目に含めるべきだとの考えを示している。