浪速風

サブちゃんと菊池寛をつなぐもの

キタサンブラックの前で勝利を喜ぶ(右から)北村宏司騎手、北島三郎、清水久詞調教師
キタサンブラックの前で勝利を喜ぶ(右から)北村宏司騎手、北島三郎、清水久詞調教師

競馬好きとして知られた菊池寛は馬主でもあった。「日本競馬読本」などの著作があり、「無事之名馬」の名言を遺した。「楽しみを覚える割合ひに較べれば、心配や憂鬱を味はう時の方が多い。(略)馬主にとっては、少しぐらゐ素質の秀でてゐるということよりも、常に無事であってくれることが望ましい」

▶馬主歴53年で数百頭の競走馬を所有したという北島三郎さんも同じ心境ではなかったか。牧場に足しげく通い、気になるときは付き人に見に行かせることもあったという。馬好きへのごほうびだろう。所有馬のキタサンブラックがクラシック3冠競走の菊花賞で優勝した

▶公約通り競馬場でヒット曲「まつり」の替え歌を熱唱した。紅白歌合戦のトリを務めた大歌手もちょっと緊張しているように見えた。菊池も所有馬のトキノチカラが昭和15(1940)年春の帝室御賞典(現在の天皇賞)を勝っている。夢の実現で「心配や憂鬱」も吹っ飛んだことだろう。