国立大学の5割が学部の再編を計画していることが文部科学省のまとめで分かった。
時流に乗った学部名変更にとどまれば看板倒れに終わる。教育・研究の内容が伴った改革を進めてもらいたい。
国立大は法人化に伴う改革の一環で、6年ごとに中期目標・計画を策定することが義務付けられている。文科省によると、来年度以降、国立大86校のうち半数の43校が学部再編を予定している。
たとえば宇都宮大が世界で活躍できる人材育成を目指して国際学部を改組するほか、福井大が国際地域学部をつくる。滋賀大が情報分野で「データサイエンス学部」の新設を計画している。
今回の中期計画は文科省が教員養成系、人文社会科学系の学部に対し、社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう通知して注目された。時代のニーズを意識した人材養成を目指す再編例が目立つ。
教育、研究をリードすべき国立大が「象牙の塔」に閉じこもり地域などからの要望を無視していいわけはない。18歳人口の急減期を前に、生き残りをかけた大学改革が必要なときだ。