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抗老化物質「NMN」に期待 ワシントン大・今井教授、夢のサプリ開発へ

試作品のNMNを手にする今井眞一郎教授 =米ミズーリ州のワシントン大
試作品のNMNを手にする今井眞一郎教授 =米ミズーリ州のワシントン大

 老化を遅らせ長寿をもたらす夢のようなサプリメントの開発に向け、老化・寿命研究の世界的権威、米ワシントン大学医学部の今井眞一郎教授のグループが研究を進めている。マウスの実験では老化の進み具合を抑えられる結果が確認されており、今後、人間への臨床研究を計画。研究次第ではこのサプリがあなたのもとにも届くかもしれない。

 今井教授のグループは2000年に長寿遺伝子の存在を世界に先駆けて発見し、その中で「SIRT1」という遺伝子が寿命を制御する遺伝子であることを突き止めた。

 マウスの実験では、脳においてSIRT1の働きを人工的に高めると、寿命も普通のマウスに比べてメスで16%、オスも9%それぞれ延びた。今井教授によると、人間の寿命に換算すれば女性で13~14年、男性で約7年延びたことになる。

 このSIRT1に作用するのが「NAD」という物資だ。今井教授らは、老化と寿命をコントロールしている脳の視床下部で、NADを作り出すのに重要な「NMN」という別の物資が鍵を握る重要な成分ではないかと考えた。

 これによりNMNを用いてNADの働きを高め、SIRT1の機能を強めれば、似たような効果が得られることが期待される。

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