秘録金正日(47)

中国の改革解放を「共産主義捨てた」と一蹴 トウ小平は「なんてばかなやつだ」と激怒

 「中国が国是に掲げる『4つの近代化』路線は、資本主義を目指すものだ。修正主義路線であり、それ以上でも以下でもない」

 トウを「修正主義者」呼ばわりし、中国の改革開放路線を全否定した。この正日の帰朝報告の内容はすぐに秘密ルートを通じて中国指導部に伝えられた。

 激怒したトウはこう嘆いたという。

 「なんてばかなやつだ。世間知らずのこわっぱ(黄嘴郎)のせいで、今後、中国は危険にさらされるかもしれない」

「われわれは『ウリ式』で行く」

 事態を深刻に受け止めた中国指導部は、金日成を呼んで真意を確かめようとする。8月19日、朝鮮半島からも近い大連で夏を過ごすトウ小平のもとに、日成は慌てて駆け付けた。

 海岸沿いの棒●(=木へんに垂)島賓館で面会した2人はこんな会話を交わしたとされる。

 トウ「金正日書記の非友好的な態度に、私は不快感を持っている。われわれの改革にあなた方も賛同することを望んだが、彼(正日)とは、協力しあえないかもしれない」

 日成「組織書記(正日)に分かるように言っておきます。早いうちにもう一度、中国を訪ね、謝罪させますので、その折にはよく教え諭してほしい」

会員限定記事会員サービス詳細