浪速風

ばつの悪いどんでん返し

室町幕府の第6代将軍足利義教は「くじ引き将軍」と呼ばれた。5代義量が若くして急死し、再び実権を握った4代義持も後継者を指名せぬまま亡くなったので、義持の弟4人からくじ引きで選ばれたのだ。くじ引きは公正だが、当たる当たらぬは天地の差、明暗さまざまのドラマが生まれる。

▶昨日のプロ野球のドラフト会議には驚いた。1位指名の高山俊外野手(明大)が2球団のくじ引きになり、ヤクルトの真中満監督が派手にバンザイをした。喜びのインタビューまで受けたのだからそそっかしい。逆に阪神の金本知憲監督はあきらめが早く、くじを開きもしなかった。

▶どんでん返しは舞台の大道具を90度倒して一瞬に場面転換する演出だが、こちらはばつが悪い勘違いである。後味の悪さを残さなかったのは、振り回された高山選手が「何があるかわからないのがドラフト会議」と大人の対応をしたからだ。野球賭博で揺れる球界にさわやかな新風を期待したい。