「発達障害」地域全体で見守って 大阪の小児科医がガイドブック自費出版

 発達障害への理解を広めたいと、淀川キリスト教病院(大阪市東淀川区)の小児科医、谷均史さん(59)がイラストをふんだんに使って分かりやすく解説したガイドブックを自費出版した。周囲の無理解から「怠けている」「しつけができていない」などと誤解され、いじめや孤立につながるケースも多いといい、谷さんは「地域全体で理解し見守ってほしい」と期待を込める。

 ガイドブック「みんなのなかで そしてみんなとともに」のイラストは、漫画家のいわみせいじさんが担当。計算や読み書きなど特定の分野が極端に苦手な「学習障害」や、落ち着きのない「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」、対人関係に困難がある「自閉症スペクトラム」など、発達障害と総称される症状について、それぞれどういう行動が苦手なのか、また周囲はどうサポートすればいいのかを紹介している。

 例えば、学習障害について「何回言っても頭に入らない」「黒板を写そうと思うが瞬時に忘れてしまう」といった症状を紹介し、ボイスレコーダーやワープロ、計算機の使用を認めるなど「合理的配慮」が必要だと提案。またADHDの場合は、「叱るよりほめることが大切」など、基本的な接し方を紹介している。

 谷さんはこれまで鹿児島県徳之島や大阪市内で小児科医をしながら発達障害の子供らを支援。診察だけでなく学習環境への配慮を求めて学校や行政に働きかけてきた。今年から淀川キリスト教病院で「発達障がい外来」を担当。多くの患者と接する中で、世間の理解がまだまだ進んでいない現状を痛切に感じたという。

 ガイドブックの発行は、学校や医療現場だけに対応を任せるのではなく、地域全体で支えて孤立を防ぐことが必要だという思いがきっかけとなった。分かりやすさを重視し、イラストでの説明を多く盛り込んだ。「地域のおっちゃんおばちゃんに手に取ってほしい。理解者が増えれば、子供たちが笑顔に過ごせる場所が増える」と谷さんは話す。

 今後、出張講演も積極的に行うつもりだ。「わが子や孫の不安を抱えている親御さんも少なくないはず。PTAやママ友の集まりなどいろんな場所で話していきたい」としている。

 税込み864円。購入や講演の依頼は「いつも青空舎」((電)090・3713・3519、http://www.itsumoaozora.com/)。

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