浪速風

銭はグラウンドに落ちている

「賭博常習者という肩書の名刺を出して選手に近づく者はいないので」。昭和44(1969)年に発覚したプロ野球の「黒い霧事件」で、衆院法務委員会に呼ばれた当時のコミッショナーの発言は失笑を買った。が、野球一筋の選手は世間知らずで、昔も今も、そこにつけ込む輩(やから)がいるようだ。

▶新たに巨人の2選手が野球賭博を行っていたことが明らかになった。八百長行為はなかったとされるが、野球賭博に手を出せば選手としての将来がなくなるのは知っているはずだ。関与は3人で幕が引かれるのか、それとも始まりにすぎないのか。他球団への飛び火は…。球界は大揺れである。

▶野球賭博は勝敗を当てるだけでなく、ハンディをつけて複雑な仕組みらしい。大金が動いて暴力団の資金源にもなる。かつて南海ホークスの鶴岡一人監督は「グラウンドには銭が落ちている。その銭はファンからもらっていることを忘れるな」と言った。選手に教えるべきはこれしかない。