強迫性障害、心配なら受診を つり革握れない、カラオケマイク触れない…

 国内に100万人強

 2人とも自分のことを「潔癖症」と話す。だが不安障害や鬱病に詳しい大阪精神科診療所協会理事で「稲田クリニック」(大阪府高槻市)院長、稲田泰之さんによると、一般に度を越したきれい好きのことを指す「潔癖症」という言葉は、正式な医学用語ではないという。

 「ただし、強迫性障害の一つに不潔恐怖・洗浄強迫があります」。「汚い」という特定の考え(強迫観念)にとらわれ、そこから生まれる恐れや苦痛、嫌悪感から逃げるため手洗いなどの洗浄(強迫儀式)がやめられなくなる。日常生活にも支障をきたす。

 強迫性障害には、不潔に対する恐怖のほかに「鍵のかけ忘れなどを心配するあまり確認を繰り返す」「数や位置がそろっていないと気が済まない」などさまざまなタイプがあるという。米国立精神衛生研究所の調査結果をもとに厚生労働省が試算したところ、国内には100万人強の強迫性障害の患者がいると推定される。

 発症の原因については、諸説あってまだ解明されていないが、複数の要因が関与していると考えられている。

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