湯浅博の世界読解

「南シナ」で後れとれば米は失墜

米海軍の艦船と航空機はいつ、中国がつくる南シナ海の人工島周辺12カイリ以内に入るのか。今月9日付の英紙フィナンシャル・タイムズが、米艦船は中国が領有権を主張している海域に「2週間以内に入る」と報じて以来、沿岸国の緊張が続いている。

ちょうど先週末からは、インド洋で日米印の3カ国海軍が軍事演習を展開した。3カ国は19日まで、艦艇や航空機を使って敵の潜水艦を追跡する訓練を行った。3カ国の海軍幹部は記者団に、特定の国名を避けながら「世界中で『航行の自由』を確保するのが狙いだ」と説明した。

米国による南シナ海への兵力投入は、文字通り「航行の自由」作戦と呼ばれ、幹部らの発言は中国が念頭にあることを示す。中国は南シナ海でいくつもの岩礁を埋め立て、3千メートル級の滑走路を持つ人工島を出現させている。

南シナ海は資源が豊富な上に、世界の海上貿易の半分が通過する。習近平国家主席は中国が南シナ海を一度も支配したことがないのに、先の米中首脳会談で「南シナ海の島々は古代から中国の領土だった」と他国の関与を退けた。