【ソウル=名村隆寛】日韓国交正常化50年を記念する行事「日韓親善友好の集い」が21日、ソウルで開かれ、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、ビデオメッセージで「正しい歴史認識と善隣友好の精神を基に、韓日両国は新たな未来に進んでいかねばならない」と述べた。
ソウルでは11月1日にも日中韓首脳会談が予定され、朴政権発足後初めて2国間での日韓首脳会談も行われる見通し。首脳会談をにらみ、安倍晋三首相に慰安婦問題で対応を取るよう暗に迫った形だ。
一方、安倍首相は「韓国との関係をいっそう発展させていきたい。両国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国だ」とのメッセージを寄せた。行事に出席した日韓親善協会会長を務める自民党の河村建夫元官房長官は「慰安婦問題は避けて通れないが、日韓両首脳の政治決断にかかっている」と記者団に語った。
さらに、日本政府が年間1千万円余りの慰安婦問題関連予算を組み、対応しているとし、「日本が何もしなかったのではなく、『元慰安婦の方々を軽視しているわけではない』と言えるはずだ」と指摘。「両首脳が虚心坦懐(たんかい)に話し合うことを期待する」と述べた。