防衛最前線(43)

89式装甲戦闘車 満載装備で戦車を支援する頼もしいライトタイガー

【防衛最前線(43)】89式装甲戦闘車 満載装備で戦車を支援する頼もしいライトタイガー
【防衛最前線(43)】89式装甲戦闘車 満載装備で戦車を支援する頼もしいライトタイガー
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 強力な火力を誇る戦車も、単体ではその能力を存分に発揮することはできない。戦車を支援し、歩兵を輸送する装甲車(APC)の随伴が欠かせない。

 陸上自衛隊の装甲車には1960年に配備された「60式装甲車」や73年の「73式装甲車」などがあるが、いずれも武装は機関銃程度のみで、戦車や歩兵に十分な援護ができなかった。この問題を解消するため、各国軍隊は第2次世界大戦後から大口径の機関砲や対戦車ミサイルなどを備えた装甲車の開発を進めた。その流れから遅れをとっていた自衛隊が、満を持して89年に開発したのが、ライトタイガーの愛称を持つ「89式装甲戦闘車」だ。

 砲塔に備えた35ミリ機関砲は射程距離1000メートルで、40ミリの装甲板も打ち抜ける。その両サイドには2基の79式対舟艇対戦車誘導弾(重MAT)を搭載。最大射程4000メートルで、戦車を相手にすることも可能だ。そのほかにも7・62ミリ機関銃1丁を備え、「戦車に準ずる戦闘能力」(陸上自衛官)といえる。暗視装置を装備しているので夜間の戦闘にも優れる。車体には生存性の高い防弾鋼板を採用している。

 乗員は10人。車長、砲手、操縦手がそれぞれ1人ずつで、完全武装した7人の戦闘員が搭乗できる。車内の中央には背中合わせに6人用のベンチシートがある。戦闘員はそこに座り、車体側面に設けられた7つの銃眼(ガンポート)から小銃を突き出し、下車することなく敵を射撃できるようになった。

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